他関連ページ












8020運動とこれからの歯科

8020とは、『80歳で20本以上の歯を保とう』という運動です。
これは、20本の歯が残存していれば、食事をするために噛むことができるというデータに
もとづいて厚生労働省や日本歯科医師会が推進している活動のことです。

現在の日本の80歳以上の高齢者の現状は、平成28年度の歯科疾患実態調査報告によると
8020達成者は51.2%であり(下図)、平成23年の調査結果40.2%から10%以上増加しています。

この結果は、歯がたくさん残っている高齢者が年々増加していることを示しており、
非常に喜ばしいことと思われます。
しかし一方で、現在4人に1人以上が65歳以上であり、要介護高齢者が今後も
増加していくことを考えると、必ずしも歯がたくさん残っていることが良いこととは限らないかもしれません。

つまり、歯がたくさんの残っている高齢者が突然寝たきりとなり、
自身の歯磨きができなくなった場合、口腔衛生状態が悪化し、
口腔細菌に起因する全身への悪影響が容易に想像されるからです。
特に嚥下機能が低下しているような高齢者は、誤嚥性肺炎のリスクが著しく増加することが
考えられます。

これまで歯科界では国民の歯を残すことに力を注いできましたが、超高齢社会の現在では、
一生持たせることが難しそうな歯をどのタイミングで抜くべきか考える時代に突入しています。

当科では保存可能な歯は極力残すよう努力しますが、そうでない歯は、
全身健康やQOLに悪影響を及ぼさないよう患者さんと相談しながら、
適切なタイミングで抜歯を行い、その後の補綴治療(義歯やインプラント)などしっかりと
フォローいたします。