厚生労働省 第3次対がん総合戦略事業
(J-START;Japan Strategic Anti-cancer Randomized Trial)

乳がん検診における超音波検査の 有効性を検証するための比較試験

厚生労働省では、がん対策のための戦略的研究として、急増する乳がん死亡を減少させるためのよりよい乳がん検診システムの構築をめざして上記比較試験を行っています。

倉敷成人病健診センターを含む全国27の参加団体において比較試験が行われており、延べ12万人の参加者を募り、5年間の調査期間で結果を得ることを目標にしています。

 

20分の1の「まさか…」
・乳がんは女性のかかるがんの第一位・30歳代から60歳代では全てのがんの中で 乳がんの死亡率がトップ・特に40歳代で乳がんを発症する方が急増

現在、テレビ、新聞、雑誌などで、連日報じられているように、乳がんは急増しており、日本人女性の20人に1人が乳がんにかかると推計されています。原因としては、ライフスタイルの変化に伴う、ホルモン環境の変化が大きいといわれています。

 

乳がん検診は、現在、マンモグラフィ検査が基本とされています。

が、実際には色々な乳腺があって、マンモグラフィでは「しこり」腫瘤陰影がわかりにくい場合もあります。特に40歳代ではそのような乳腺が多く、この年代での乳がんの早期発見が課題となっています。

40歳代 69% 50歳代 74%
40歳代に多い高濃度乳腺の中では腫瘤陰影は認識しにくい

50歳代に多い脂肪性乳腺の中では腫瘤陰影は認識しやすい

宮城県対がん協会

 

そこで、乳腺超音波検査では...

乳腺超音波検査では乳腺組織は「白く」、脂肪組織は「黒く」描出され、「しこり」腫瘤形成性病変も一般的に「黒く」描出されるために比較的認識しやすいとされています。


50歳代に多い脂肪性乳腺は超音波検査ではこのようにみえる

40歳代に多い高濃度乳腺は超音波検査ではこのようにみえる


が、しかし...

 

乳腺超音波検査を用いた乳がん検診の有効性を示すデータは世界中どこにもありません。

厚生労働省「がん検診に関する検討会」中間報告(2004年3月)
1.超音波検査を用いた乳がん検診による乳がんの死亡率減少効果について根拠となる報告はない
2.超音波による検診について、その有効性の検証を行うとともに、機器や撮影技術及び読影の技術の標準化、検診における診断基準を確立すべきである

Key Word
・有効性の検証
・標準化

 

乳がん検診における超音波検査の 有効性を検証するための比較試験

・対象 40歳代の女性
・方法 MMG検査にUS検査を併用する検診と併用しない検診を実施して、両群の間で検診の精度、利益・不利益および有効性を検証します

 

 

(1) 検査の方法を決める...
ランダム化 「マンモグラフィ検査のみ」か、「マンモグラフィと超音波の検査」か、どちらの検査方法で検診を受けていただくかは、無作為に割り付けられます。
(2) 試験の参加期間...
2年間 1回目の検診から約2年後にもう一度、同じ検査を受けていただきます。また、それまでの乳がん発生状況を調べる調査用紙をお送りしますので、ご記入の上、ご返送ください。
(3) 検診費用
どちらの検査グループに入っても、費用は同じで、通常のマンモグラフィ併用乳がん検診と同じ費用です。
(4) 利益と不利益
マンモグラフィで検出できなかった乳がんが検出できるかもしれませんし、超音波検査を加えることで検診精度が高まることを期待していますが、効果はまだ十分に確かめられていません。逆に要精密検査と判定される可能性が多くなり、そのために精神的・身体的負担や費用が余分にかかることも考えられます。
 
50歳以上における明らかな死亡率減少効果
若い日本人女性に適していますか?
死亡率減少効果は?

利益・不利益は?

 

 

 

日本人に適したがん医療
科学的知見に基づく適切な医療を創る
 
  問い合わせ先

倉敷成人病健診センター
TEL 086(427)3333 代表
   086(427)6666 ドック受付
担当コーディネーター:鈴木・尾藤

J-STARTのページ