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子宮内膜症(治療、及び腹腔鏡下手術)

●子宮内膜症について(動画約5分)

●子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、子宮の内側にある子宮内膜が子宮の内側以外の臓器にもできてしまう病気です。腹膜や卵巣、子宮と
直腸のくぼみであるダグラス窩(か)などに発生します。子宮外にできる子宮内膜も、生理と同じように女性ホルモン
の影響を受けて増殖と出血を繰り返していきます。しかし、子宮の内側にある子宮内膜のように腟から排出することが
できないため、その場に血液が溜まり炎症を起こしてしまうのです。

子宮内膜症は、発症する部位によって「腹膜病変」「卵巣子宮内膜症(卵巣チョコレートのう胞)」「深部子宮内膜症
(ダグラス窩・深在性子宮内膜症)」「他臓器子宮内膜症」の4つに分けられます。

●深部子宮内膜症

4つある子宮内膜症のなかでも、深部子宮内膜症は診断・治療が難しい病気です。子宮と直腸のくぼみである
ダグラス窩に発症することが多く、ダグラス窩は多くの臓器が隣接している箇所にあるため、画像などの検査で発見しにくい
のです。また、ダグラス窩は直腸に穴を開けてしまう危険性が高い箇所にあるため手術を行う場合は高度な技術を
要します。

当院では、難易度の高い深部子宮内膜症に対する腹腔鏡下広汎性手術を手がけた実績があります。その技術は、世界的に
見ても先駆的であり、海外からの講演や手術見学の依頼が多数あります。その卓越した技術により、難症例とされる
深部子宮内膜症の手術をも可能にしています。

●症状

子宮内膜症の代表的な症状は、生理時に起こる下腹部痛と腰痛、性交痛、排便痛などの様々な痛みです。月経のたびに
進行し、症状も徐々にひどくなっていきます。ひどくなると、「痛くて体をまっすぐにしていられない」といった
非常につらい痛みがあり、吐き気やめまいを伴うこともあるのです。

  • 月経時の下腹部痛
  • 月経時以外の下腹部痛
  • 腰痛
  • 性交時の痛み
  • 不妊
  • 月経の量が多い
  • 排便痛 など

●原因

子宮内膜症の発症原因ははっきりしていませんが、子宮内膜を含む月経血が卵管からお腹のなかに逆流し、そこに
とどまるという説が有力とされています。

また、子宮内膜症を発症する方が増えているのは、晩婚・晩産化など女性のライフスタイルの変化による月経回数の
増加が関係していると言われています。生理と同じサイクルで増殖と出血が繰り返されるため、月経回数が増えれば、
その分、子宮内膜症は発症・悪化しやすくなります。生涯子どもをもたない選択をする方も増えていることで、月経が
中断されることがないのも原因のひとつと考えられているのです。

 

子宮内膜症の手術療法は「開腹手術」と「腹腔鏡下手術」の2種類。当院では、開腹手術はもとより、あらゆる
子宮内膜症の病変に対して腹腔鏡下手術を数多く施行しています。腹腔鏡下手術は開腹を回避することで、痛みが少ない、
手術による傷が小さい、早期回復・退院が期待できる、術後の癒着が少ないといった様々なメリットがあります。

病変別の腹腔鏡下手術

腹膜病変 もっとも基本的な子宮内膜症で、腹膜内や臓器の表面に病変が発生します。大きさは極めて小さく、数ヶ所に散らばっているため、一つひとつ取り除いていく必要があります。
卵巣子宮内膜症
(卵巣チョコレートのう胞)
卵巣のなかに発生する子宮内膜症です。のう胞の中身だけを摘出し、卵巣を温存する方法や、卵巣を全て摘出する方法があります。
深部子宮内膜症 子宮と直腸の間にあるダグラス窩(か)と呼ばれる箇所とその周囲に高頻度で発生します。尿管や直腸などへ癒着
(本来離れているべき組織同士がくっつくこと)するため、癒着を剥がし(剥離)、内膜症組織を取り出します。癒着を剥がすだけでは根治できない場合には、尿管や腸管の切除と再建を行う必要があります。直腸に穴を開けるリスクがあるため、非常に難易度の高い手術となります。
他臓器子宮内膜症 直腸、尿管、膀胱など、内膜症は全身どこにでも発生します。病変を取り除き、必要時臓器や組織の再建を行います。

●難症例の深部子宮内膜症治療

深部子宮内膜症は病変へのアプローチが難しく、尿管や直腸などに病変がある場合には、子宮とともに腟や卵巣、卵管などの臓器に加え尿管や直腸なども切除する必要があります。また、尿管や直腸を切除する場合には機能を取り戻すための再建手術になります。豊富な経験や高度な医学知識、腹腔鏡の緻密な操作テクニックが求められるのです。

深部子宮内膜症を患っており、治療方法を迷われている方、できるだけ体に負担の少ない方法で治療を行いたいと考える方は、一度当院にご相談ください。徹底した情報開示を行い、患者さんにとって不安のない治療を目指してきました。難症例の手術にも多くの実績があります。

●倉敷成人病センター婦人科からのメッセージ

当院婦人科には広島、香川など近県はもとより全国から患者さんが、診察やセカンドオピニオン等で来院されています。
婦人科の腹腔鏡下手術数では国内でもトップクラスの症例数があり、書籍やテレビなどのメディアでも取り上げられています。

【最近紹介された主な書籍・メディア】
・「がん最新治療に挑む15人の名医」 KADOKAWA出版
・「2018年度版国民のための名医ランキング」 桜の花出版
・「手術数でわかるいい病院2017」 朝日新聞出版
・「腹腔鏡手術のスペシャリスト!限界を極める婦人科の救世主」 BS-TBS ヒポクラテスの誓い

大きな開腹創に不安をお持ちの患者さん、早期社会復帰が必要な方、低侵襲な手術法に関するセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さん、治療方法や費用についても一度ご相談ください。 一人でも多くの方の力になれたら幸いです。