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子宮頸がん(治療、及び腹腔鏡下手術)

●子宮頸がんについて(動画約4分)

●子宮頸がんの症状と原因

複数ある婦人科系のがんのなかでもっとも発症率が高いのが子宮頸がん。乳がんに次いで女性がかかりやすいと
言われる病気です。

子宮頸がんは30歳代から徐々に患者数が増えていき、40~50歳代の女性にもっとも発症しやすくなります。定期検査を
行う必要性と有効性が強く認識されており、30歳以上の女性を対象にした子宮頸がんの集団検診は全国各地で
行われています。

●子宮頸がんとは

子宮にできる悪性腫瘍を総称して子宮がんと言い、子宮の出口付近(腟に近い部分)を子宮頚部と呼び、その部位に
生じるがんを子宮頸がんと言います。また、子宮頸がんには扁平上皮がんと腺がんという2種類があります。

扁平上皮がん 扁平上皮細胞という子宮頸部の細胞に発生するがんであり、子宮頸がん全体の約7割を占めています。
腺がん 腺細胞という子宮頸部の粘液を分泌する細胞に発生するがんです。若い女性を中心に徐々に増加しています。扁平上皮がんに比べて、検診で発見されにくく、放射線療法や化学療法が効きにくいため、予後が悪い傾向があります。

子宮は妊娠・出産などの機能を果たす臓器であり、特に妊娠や出産を考える
女性にとっては子宮頸がんの発症は深刻な問題です。たとえ妊娠や出産を
望まない場合でも、治療による仕事や生活への影響、治療後の合併症、予後など
が懸念されます。

●症状

初期の子宮頸がんは自覚症状がないケースがほとんどです。進行すると、
不正出血、おりものの増加、性交後の出血といった自覚症状があらわれてきます。
さらに進むと、普段から不正出血をするようになります。

初期の子宮頸がん 進行した子宮頸がん
ほとんどの場合、無症状
  • 性交後の出血
  • おりものの異常(茶褐色、黒褐色のおりものが増える など)
  • 不正出血(月経時以外の出血)
  • 下腹部や腰の痛み

●原因

子宮頸がんの発症には、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染が深く関係しており、患者のほとんどがヒトパピローマウイルスに感染していることが分かっています。ヒトパピローマウイルスは主に性行為によって
感染し、それ以外での感染は極めて稀。性交渉の経験がある方であれば誰でもヒトパピローマウイルスに感染するおそれがあるのです。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが主原因の病気ですので、予防ワクチンや検診を受けることで発症を抑えることが期待できます。

●腹腔鏡下手術による子宮頸がん治療

子宮体がんの手術療法には、開腹手術と腹腔鏡下手術があります。当院では、開腹手術はもとより腹腔鏡手術また腟式手術などあらゆる低侵襲手術を数多く手がけています。
子宮の切除部位や周辺の組織・臓器の切除範囲によって術式は異なります。術式は、がんの病期(進行具合)を基準として、がんの部位、合併症の有無、患者さんの年齢、患者さんのご希望などから総合的に判断します。

病期(進行具合)を基準とした術式

病期 段階 適用される術式
0期

上皮内がん:がん細胞が子宮頚部の上皮の中に留まり、浸潤していないもの 腹腔鏡下単純子宮全摘術(子宮を摘出)
腟式単純子宮全摘術
Ia1期 深さ3mm未満、幅7mm未満の拡がり 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術(子宮とともに腟や卵巣、卵管など周囲の組織も広い範囲で切除)
Ia2期 深さ3-5mm、幅7mm未満 腹腔鏡下神経温存広汎性子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清
Ib期 Ia期より広がっているが、腫瘍組織が子宮頸部に留まっているもの 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術
(径2cm以内は骨盤神経温存術式)
II期 頸部の外へ広がっているが、骨盤壁、あるいは腟壁の下1/3に達していないもの 腹腔鏡下広汎性子宮全摘術+傍大動脈リンパ節郭清(切除)
III期 がんが骨盤壁までに達しているもの、あるいは腟壁の下1/3を超えているもの 放射線化学療法
IV期 がんが骨盤を超えて広がっているか、膀胱、直腸の粘膜にも進展しているもの 放射線化学療法、化学療法(抗がん剤治療)

●妊娠を望まれる患者さんへ

がんの病期にもよりますが(IA2~b1期で長径2.5cm未満)、将来妊娠したいという強い希望がある患者さんには「広汎性子宮頸部切除術」を施行する場合もあります。子宮体部を残し頸部のみ切除する手術方法であり、妊娠の可能性を残すことができます。将来妊娠のご希望がある患者さんは当院までご相談ください。患者さんの妊娠・出産への希望をつなぐお手伝いをいたします。お気軽にご相談ください

●合併症

広汎性子宮全摘術は子宮周囲の組織も広く切除し、また広汎な骨盤リンパ節郭清をともなうため、術後の膀胱障害(骨盤神経を切断するため)、腟の短縮による性交障害、またリンパ嚢腫、リンパ浮腫(リンパ節郭清)を起こす可能性があります。膀胱障害に関しては病巣が比較的小さく安全に施行できる場合は独自に開発した神経温存術式を適用、また若年の方には腟延長術をおこなっています。リンパ浮腫には専任の理学療法士が対応いたします。

●倉敷成人病センター婦人科からのメッセージ

当院婦人科には広島、香川など近県はもとより全国から患者さんが、診察やセカンドオピニオン等で来院されています。
婦人科の腹腔鏡下手術数では国内でもトップクラスの症例数があり、書籍やテレビなどのメディアでも取り上げられています。

【最近紹介された主な書籍・メディア】
・「がん最新治療に挑む15人の名医」 KADOKAWA出版
・「2018年度版国民のための名医ランキング」 桜の花出版
・「手術数でわかるいい病院2017」 朝日新聞出版
・「腹腔鏡手術のスペシャリスト!限界を極める婦人科の救世主」 BS-TBS ヒポクラテスの誓い

大きな開腹創に不安をお持ちの患者さん、早期社会復帰が必要な方、低侵襲な手術法に関するセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さん、治療方法や費用についても一度ご相談ください。 一人でも多くの方の力になれたら幸いです。