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子供虐待の防止について

地域社会における人間関係の希薄化、経済不況、子どもの見守り体制の弱体化など家庭を
取り巻く環境の著しい変化のため子育ての困難さが増しています。
そのような困難な状況の中、「児童相談所における虐待に関する相談処理件数」は
平成2年度に1,101件であったものが、平成8年度には4,102件、平成11年度は11,631件
と増加し「子ども虐待に対応するための法律が必要」という機運は高まり、平成12年11月、
「児童虐待の防止等に関する法律」(以下:児童虐待防止法)が施行されました。

しかし残念ながらその後も虐待相談処理件数は増加の一途をたどり、平成15年度には
26,569件に達し、平成16年10月、更なる体制強化のため児童虐待防止法の第1回改正が
行われました。

改正の骨子ですが、DVは虐待とみなされるなど児童虐待の定義の見直し、国及び地方公共
団体の責務の改正、児童虐待に係る通告義務の拡大、警察署長に対する援助要請等、児童
虐待を受けた児童等に対する支援などでした。

特に市町村が、子ども虐待の相談窓口となり、必要な調査や指導を行うことが義務となり、
虐待を受けた子どもに対する関係機関の連携が強化されました。

行政による対応策が強化されるにもかかわらず、その後も虐待は減少しないどころか、虐待
相談処理件数は増加し、児童相談所の権限を強化し、親の同意が得られない場合でも裁判所
の許可を得て強制立入(臨検)できることなどを骨子とした第2回「児童虐待の防止等に関す
る法律」改正が平成19年6月に行われました。

更に平成16年、「児童福祉法」も一部改正され、「地方公共団体は「要保護児童対策地域協
議会」を置くよう努めなければならない」とされ、同協議会の設置義務など、子ども虐待防止
の強化が図られました。

そのような社会的状況の中にあっても、児童相談所での児童虐待相談処理件数は平成22年度、
55,152件(東北地域を除く暫定値)に達し、子ども虐待による死亡数も年間50人前後から
減少しないなど、子ども虐待防止に関し、一層の努力が求められる状況に立ち至っています。
児童虐待防止法第5条において病院や医師についても子ども虐待の早期発見の努力義務が
課せられています。しかし医療機関は虐待の早い段階から関与できる立場にありながら、
医療機関からの虐待相談処理件数は全相談数の10%程度と低い水準にあり、憂慮される
状況です。

これまで医療機関が果たしてきた役割は小さくありませんが、このような状況を踏まえ、
当院が子ども虐待に関し、積極的に防止に努めることは地域社会からの要請であり、義務と
考えます。

今回我々は、子ども虐待に関して、地域社会に根ざした医療機関としての責務を全うする目的
で、地域社会の一員として、院外の関係機関と緊密な連携の上、すべての子どもの健やかな
成長を支えるため、全力で子ども虐待防止に取り組みたいと考えます。

 

平成24年1月 倉敷成人病センター子ども虐待防止委員会