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膵臓がん

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膵臓がん

【疫学】

膵臓は、右側を十二指腸により囲まれるように位置し後腹膜腔に存在する臓器です。
膵臓内には膵管が走っており、膵臓で作られた消化液を十二指腸に排泄します。
十二指腸への排泄口は、十二指腸乳頭部と呼ばれます。

膵臓は、外分泌腺と内分泌腺と呼ばれる2種類の分泌腺よりなり、外分泌腺は、アミラーゼやリパーゼなどの
消化酵素をつくります。内分泌腺では、インスリンやグルカゴンなどのホルモンがつくられ、
血糖の調節をおこないます。

2001年全国統計では、悪性新生物による死亡者数は300,658人で、膵臓がんは19,397人(6.45%)を占め、
肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんについでがん死因の第5位でした。

男性の死亡数は、10,471人(5.77%、5位)女性の死亡数は、8,926人(7.48%、6位)でした。
症状が現われにくく診断が極めて難しいことから進行がんで発見される場合が多く、
また、大きな血管や神経への浸潤やリンパ節転移を起こしやすいことから、
外科的切除不能となる場合がほとんどです。

手術は、体に大きな侵襲を伴う大手術(特に膵頭部がんにおいて)になること、有効な抗がん剤がほとんどない
ことなどの理由で、他のがんに比べて生命予後が悪いと報告されており、早期発見が望まれます。

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【症状】

早期には無症状であり、かなり進行するまで症状がでないため、早期発見はきわめて困難です。
他の病気の精査中におこなわれた腹部CTなどで偶然発見される場合がほとんどです。
膵臓のどの場所にがんができるかにより症状は違ってきますが、
共通の症状は、

(1)上腹部痛

持続性の痛みで、同時に背部痛がみられることが多い。

(2)体重減少

他のがんに比べて体重減少が著しい。

(ア)膵頭部がんの症状

黄疸:
膵頭部内を走っている膵内胆管を腫瘍が圧迫する事により起こり、病状が進むにつれて悪化します。

(イ)膵体尾部がんの症状

症状が現われにくく、進行すると腫瘤を触れるようになります。

 

【膵臓がんを疑わせる症状】

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【診断】

(1)画像診断

腹部超音波検査、CT、MRI(磁気共鳴画像)、血管造影

(2)内視鏡検査:ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)

内視鏡を十二指腸まで挿入し、膵管と胆管の共通の出口となっている十二指腸乳頭に
細い管を挿入して造影剤を注入する検査です。

患者さんへの苦痛が大きいこと、検査後に膵炎を併発する可能性があること、
膵管閉塞時にはその場所より奥が造影されないことなどの理由により、
画像の鮮明度はやや劣りますがMRCP(磁気共鳴膵胆管造影)を代わりにおこなうこともあります。

しかしMRCPの場合には、膵液などからの細胞を採取し、病理診断をすることができません。

(3)血液検査

肝機能検査、胆道系酵素値、血糖値、腫瘍マーカー(CA19-9、CEA、DUPAN 2、SPAN1、エラスターゼ1)

(4)組織検査

ERCPの時に、膵液を採取したり、膵管内(狭窄部)をブラシで擦って採取した細胞を顕微鏡下に
診断する(=細胞診)ことによりがんの確定診断をします。

 

【膵臓がんの診断法:第1段階の検査は?】

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 【膵臓がんの診断法:第2段階の検査は?】

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【病期分類(日本膵臓学会)】

0期:非浸潤がん

Ⅰ期:
がんの大きさが2cm以下で膵臓内に限局しているもの(T1)で、リンパ節転移の無いもの(N0)。

Ⅱ期:
がんの大きさが2cm以下で膵臓内に限局している(T1)が、第1群のリンパ節のみ転移のあるもの(N1)。
あるいは、がんの大きさが2cm以上あるが膵臓内に限局しているもの(T2)で、
リンパ節転移の無いもの(N0)。

Ⅲ期:
がんの大きさが2cm以下で膵臓内に限局している(T1)が、第2群のリンパ節まで転移のあるもの(N2)。
あるいは、がんの大きさが2cm以上あるが膵臓内に限局しているもの(T2)で、第1群のみ(N1)
または第2群までリンパ節転移のあるもの(N2)。あるいは、がんの浸潤が膵内胆管、十二指腸、膵周囲組織の
いずれかに及ぶ(T3)が、リンパ節転移がない(N0)か第1群のみ転移のあるもの(N1)。

Ⅳa期:
がんの浸潤が膵内胆管、十二指腸、膵周囲組織のいずれかに及び(T3)、第2群のリンパ節まで転移のあるもの
(N2)。あるいは、がんの浸潤が隣接する大血管、膵外神経叢、他臓器のいずれかに及ぶもの(T4)で、
リンパ節転移がない(N0)か 第1群のみ転移のあるもの(N1)。

Ⅳb期:
がんの浸潤が隣接する大血管、膵外神経叢、他臓器のいずれかに及ぶもの(T4)で、第2群までリンパ節転移の
あるもの(N2)。あるいは、腫瘍の大きさに関係なく(T1~T3)、第3群までリンパ節転移のあるもの(N3)。
あるいは、遠隔転移のあるもの(M1)。

 

【病期別治療方法】

I期及びⅡ期:手術療法

Ⅲ期:
可能ならば手術療法が行なわれますが、がんの十分な切除は単独では難しく化学療法、放射線療法などを
併用します。手術の危険度などをそれぞれの症例に応じて判断し、治療を選択します。

【局所進行切除不能膵臓がんに対する治療】

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【局所進行切除不能膵臓がんに対する化学放射線療法】

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【遠隔転移を有する膵臓がんに対する一次化学療法】

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Ⅳ期:
根治療法はまずありません。化学療法により延命を図ったり、症状に応じた治療を選択します。

【膵臓がん手術療法の適応】

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