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じゃくし弱視

人間は生まれた直後からよく目が見えるわけではなく、視覚の発達期(およそ9歳頃まで)に目から入ってくる刺激によって徐々に視力が発達します。その時期に適切な刺激を受けられないと視力の発達が阻害され、眼鏡をかけても視力が出ない状態になってしまいます。このような状態を弱視といいます。弱視の原因は、①乳幼児期の白内障や高度な眼瞼下垂などによるもの(視性刺激遮断弱視)②遠視や乱視によるもの(屈折性弱視、不同視弱視)③斜視によるもの(斜視弱視)などが代表的です。

弱視の治療

治療の目標は、眼鏡をかければきちんと視力が出るようにすることです。視性刺激遮断弱視では原疾患の治療(白内障手術や眼瞼下垂症手術)を行います。屈折性弱視、不同視弱視、斜視弱視では、まず調節麻痺薬の点眼を用いて正確な屈折検査を行います。屈折異常があれば、眼鏡を常用する治療が基本となります。眼鏡装用のみで視力が向上しない場合は、健眼遮蔽(視力が良い方の目を遮って、視力の悪い方の目の能力を上げる訓練)を行います。斜視弱視では眼鏡装用や健眼遮蔽による治療に加えて、斜視の改善を目的とした手術を行うこともあります。弱視治療は、視覚発達期を過ぎると反応しにくくなるので、早期に治療を開始することが重要です。気になることがあれば早めの受診をお勧めします。