Introductionアイセンターについて
Greetingご挨拶
- アイセンター センター長
- おかのうち としお岡野内 俊雄
倉敷成人病センターに赴任して17年が経過いたしました。
これまで、眼科は少しずつ診療規模を拡大していきながら、それに応じて必要施設の増設を繰り返してまいりました。
それゆえに、いびつな導線と手狭な部屋での検査と診療となり、皆さまに多大なご迷惑をおかけしておりました。また、特殊な診療体系と看護体制を必要とする眼科医療において、眼科専用施設と専属の医療チーム編成の必要性を強く感じるようになりました。そういったなか、このたびの当院新棟建築の機会に恵まれました。
自らが患者となったときにどういう環境のもとで治療を受けたいかを当院スタッフで真摯に見つめなおして考えました。そして、3つの環境、すなわち医療環境、人的環境、物的環境を強く意識することで、独自の治療環境を実現すべく、2021年2月1日からアイセンターとして運営を開始いたしました。
導線ですが、これまで分散していた眼科関連部門は新棟に全て移転し、2階、3階、4階の隣接する3フロアーに集約いたしました。これにより、検査から診察への流れ、硝子体注射などの処置への流れ、手術への流れなどがシンプルでわかりやすくなることと、移動の負担が軽減されることを期待いたします。
一方、日々たくさんの方々が近隣のかかりつけの眼科から、硝子体注射などの内科的治療あるいは手術などの外科的治療を目的に受診されています。そうした方々は皆、なんらかの不安を抱えて来院されています。治療に対する緊張や恐怖感も抱いておられます。このような気持ちを完全に取り除くことは叶いませんが、少しでも和らげてもらうには何ができるかを考えました。そして、何より関わる全てのスタッフが眼科の専属であること、一緒に病気を治していこうとする心構えを皆が共有することを最も重要視いたしました。様々な局面で安心感を持って治療を受けていただけることに必ず繋がると考えています。別項で詳しく述べておりますが、前述いたしました3つの環境について少しお話いたします。治療を受けられる患者さんは、医療環境、人的環境、物的環境の3つの治療環境に包まれています。まず医療環境ですが、当アイセンターは、眼底疾患、緑内障関連疾患、水晶体関連疾患に対して、専門とする医師による高度な医療を行う最終病院として機能しています。同時に、角膜疾患や斜視など幅広く疾患に対応しています。また、生活に支障をきたす視機能の方には、生活支援となる方法や道具をアドバイスするロービジョン外来も新設いたしました。次に人的環境です。アイセンタースタッフは、それぞれ眼科領域のスペシャリストで構成されています(研修中の人もいますが必ず指導者が付いています)。皆さまの見えるところ、見えないところで、いつも一緒に寄り添っています。ぜひとも頼りにしてください。私を含めスタッフは、毎日の振り返りとミーティング、さらに自己研鑽の積み重ねでスキルアップを日々心掛けております。最後に物的環境です。人は目に入るものや聞こえる音で不安や恐怖感といったものが増幅されてしまいます。心身ともに安らいで診察や治療を受けてもらえるよう、目にするもの耳にするものに配慮いたしました。気持ちの和らぐ空間作りに努めてまいります。また、手術では、目を触られることに対する恐怖感や、局所麻酔のため手術中に意識があることによる緊張を多くの方が強いられます。こういったストレスを可能な限り緩和していくために、眼科専用の周術期ラウンジと手術室の環境を整備しました。部署別紹介で詳しく説明しておりますので、ぜひ参照していただければと思います。
当アイセンターが、Quality of visionの保たれた視生活につながり、さらに生涯を通してのQuality of lifeの維持に貢献できることを切に願っております。
これまで、眼科は少しずつ診療規模を拡大していきながら、それに応じて必要施設の増設を繰り返してまいりました。
それゆえに、いびつな導線と手狭な部屋での検査と診療となり、皆さまに多大なご迷惑をおかけしておりました。また、特殊な診療体系と看護体制を必要とする眼科医療において、眼科専用施設と専属の医療チーム編成の必要性を強く感じるようになりました。そういったなか、このたびの当院新棟建築の機会に恵まれました。
自らが患者となったときにどういう環境のもとで治療を受けたいかを当院スタッフで真摯に見つめなおして考えました。そして、3つの環境、すなわち医療環境、人的環境、物的環境を強く意識することで、独自の治療環境を実現すべく、2021年2月1日からアイセンターとして運営を開始いたしました。
導線ですが、これまで分散していた眼科関連部門は新棟に全て移転し、2階、3階、4階の隣接する3フロアーに集約いたしました。これにより、検査から診察への流れ、硝子体注射などの処置への流れ、手術への流れなどがシンプルでわかりやすくなることと、移動の負担が軽減されることを期待いたします。
一方、日々たくさんの方々が近隣のかかりつけの眼科から、硝子体注射などの内科的治療あるいは手術などの外科的治療を目的に受診されています。そうした方々は皆、なんらかの不安を抱えて来院されています。治療に対する緊張や恐怖感も抱いておられます。このような気持ちを完全に取り除くことは叶いませんが、少しでも和らげてもらうには何ができるかを考えました。そして、何より関わる全てのスタッフが眼科の専属であること、一緒に病気を治していこうとする心構えを皆が共有することを最も重要視いたしました。様々な局面で安心感を持って治療を受けていただけることに必ず繋がると考えています。別項で詳しく述べておりますが、前述いたしました3つの環境について少しお話いたします。治療を受けられる患者さんは、医療環境、人的環境、物的環境の3つの治療環境に包まれています。まず医療環境ですが、当アイセンターは、眼底疾患、緑内障関連疾患、水晶体関連疾患に対して、専門とする医師による高度な医療を行う最終病院として機能しています。同時に、角膜疾患や斜視など幅広く疾患に対応しています。また、生活に支障をきたす視機能の方には、生活支援となる方法や道具をアドバイスするロービジョン外来も新設いたしました。次に人的環境です。アイセンタースタッフは、それぞれ眼科領域のスペシャリストで構成されています(研修中の人もいますが必ず指導者が付いています)。皆さまの見えるところ、見えないところで、いつも一緒に寄り添っています。ぜひとも頼りにしてください。私を含めスタッフは、毎日の振り返りとミーティング、さらに自己研鑽の積み重ねでスキルアップを日々心掛けております。最後に物的環境です。人は目に入るものや聞こえる音で不安や恐怖感といったものが増幅されてしまいます。心身ともに安らいで診察や治療を受けてもらえるよう、目にするもの耳にするものに配慮いたしました。気持ちの和らぐ空間作りに努めてまいります。また、手術では、目を触られることに対する恐怖感や、局所麻酔のため手術中に意識があることによる緊張を多くの方が強いられます。こういったストレスを可能な限り緩和していくために、眼科専用の周術期ラウンジと手術室の環境を整備しました。部署別紹介で詳しく説明しておりますので、ぜひ参照していただければと思います。
当アイセンターが、Quality of visionの保たれた視生活につながり、さらに生涯を通してのQuality of lifeの維持に貢献できることを切に願っております。
Philosophyアイセンターの想い
治療を受けられる患者さんは、医療環境、人的環境、物的環境 の3つの治療環境に包まれています。
アイセンターはこの環境整備を3本柱とする独自のアイセンターとして地域医療へ貢献してまいります。
- 医療環境
- 眼底が関わってくる網脈絡膜疾患や黄斑疾患、視神経が傷害される緑内障、白内障などの水晶体関連疾患に対して、難治な病態であっても専門とする医師による高度な医療を行う最終病院として機能しています。また、角膜感染症やドライアイなどの角結膜疾患、斜視・弱視に対する小児眼科など幅広く疾患に対応しています。さらに、治療をしても視機能に限界のある方や治療法のない疾患の方などで、生活に支障をきたすような方には、生活支援となる方法や道具をアドバイスさせていただくロービジョン外来があります。
眼科が関わる領域は、他にも眼瞼を含めて非常に多岐にわたっており、今後さらに広範な領域に対応できるアイセンターに発展していきたいと考えております。さらには、医療過疎地域に赴いての支援や治療を行なっていく拠点としても発展していくことを強く願っています。
- 人的環境
- 患者としてスタッフに何かを尋ねたときに、「私は眼科専門ではないので・・・・」と言われるほど心許無いことはありません。アイセンターのスタッフは、それぞれの部署、部門全てが眼科領域のスペシャリストで構成されています。もちろん、新人など研修中の人もいますが必ず指導者が付いています。受付スタッフや看護師、視能訓練士、コントローラー、クラークは皆さまの見えるところで、シュライバーや臨床工学技士などは皆さまの気付かないところで、常に寄り添っております。一緒に病気を治していきたいという思いで日々頑張っています。アイセンタースタッフは安心感を持って治療を受けていただけることを強く願って、振り返りとミーティング、自己研鑽の積み重ねを心掛けております。
- 物的環境
- 多くの方がなんらかの不安を抱えて来院されます。また、治療に対しては恐怖や緊張を感じられます。人は目に入るものや聞こえる音で不安や恐怖感といったものが増幅されてしまいます。一方、目にするものや耳にするもので心身ともにリラックスすることもあります。できるだけ平静な心持ちで診察や治療を受けていただけるよう、気持ちの安らぐ空間作りに努めてまいります。また、手術に際しては、“目の中!”に対する恐怖感や、局所麻酔で意識があることでの緊張を多くの方が強いられます。このようなストレスを可能な限り緩和していくために、専用の病棟・病室、周術期ラウンジ、手術室の環境を整えました。心穏やかに治療に臨んでいただけることを願っています。詳しくは部門紹介をぜひご覧ください。
- ロゴマークに込めた想い
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アイセンターのロゴマーク作成を依頼するにあたって、治療環境の3つの環境への想いと、人の優しさと温かさ、穏やかな心が連想されるような、さらには眼底、視神経、角膜などもイメージできるような、そんなロゴマークはできないかとお願いしました。そうして、出来上がったのがアイセンターのロゴマークです。
デザインしていただいた方の“ロゴマークに込めた想い”
アイセンターをイメージしたとき、まず、眼であることと、患者さんにとっても、医療にとっても未来につながることを表現できるといいなと思いました。
物を見るとき、水晶体を通り硝子体を通り網膜で受け取るそうですが、その核となるのが黄斑なのかなと思い、その黄斑がもし患者さんと仮定したら、現在の医療と仮定したら、光が入ってくる方向は、逆に未来のように感じられます。
そこで青い円内は眼ではあるのだけど、赤い核となる「現在」が光の方向に向かうと暖かい太陽のような陽が迎えてくれるというイメージでこの形を作りました。
また、眼は「目は口ほどにものを言う」、「一目を置く」などの言葉もあり、この小さな球体でとりとめもない大きな表現を一言で言い表します。
このような広がりを持つ宇宙観を感じられるものであればいいなと思います。YUMIKO OKANOUCHI