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ぞうしょくしょうしたいもうまくしょう増殖硝子体網膜症

増殖硝子体網膜症 術前

網膜剥離を長期間放置した場合や、網膜剥離の手術などさまざまな疾患に対する硝子体手術の術後に、網膜の表面や裏面に増殖組織(時に硬い膜様組織である増殖膜)が生じることがあります。増殖膜によって網膜が収縮して引っ張られるため、通常の網膜剥離より治療が難しくなります。放置した場合は失明に至るため、手術が必要です。

正常眼

増殖硝子体網膜症

手術では、目の状態に応じて硝子体手術(眼の中からの手術)またはバックル手術(眼の外からの手術)を行います。硝子体手術では網膜の表面や裏面の増殖膜を取り除き、網膜の下に溜まった水を除去することで網膜を復位させ、網膜剥離の原因となった穴の周りをレーザーで凝固します。手術終了時に目の中をガスまたはシリコンオイルに置換します。

手術後はしばらくの間うつぶせなどの体位制限が必要となります。シリコンオイルを入れた場合は、術後しばらくして(1カ月~数カ月程度)シリコンオイルを抜くための再手術が必要となります。また、手術後に再度増殖膜や網膜剥離が再発し、何回か手術が必要になることもあります。ただし、再増殖は永遠に続くわけではありません。増殖硝子体網膜症の病態に至った場合、網膜剥離が治っても元の視力に回復することは難しいことが多いです。
増殖硝子体網膜症 術後 シリコンオイル注入後 増殖硝子体網膜症 術後 シリコンオイル抜去後