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2025/08/13円錐角膜の新しい治療「角膜クロスリンキング」岡山県下で初の導入

当院アイセンターでは、円錐角膜の進行を抑える現時点で唯一の治療法である角膜クロスリンキングを導入いたしました。
円錐角膜とは、角膜中央部が薄くなり前方に突出してくる疾患です。これにより角膜に歪みが生じ、不正な乱視が強くなり視力が低下します。
円錐角膜は思春期に発症し、進行することが多く、アトピーの方に多いため、眼を強く擦ることが発症に関係していると考えられていますが、アトピーのない方にも発症するため、詳しい原因は不明です。

 

円錐角膜1

円錐角膜の治療は、程度や進行度により異なりますが、角膜の変形には初期から中期まではハードコンタクトレンズで矯正が可能です。円錐角膜が極度に進行してしまうとハードコンタクトレンズでは矯正できなくなり、また急性水腫による混濁を残すと視力低下するため、角膜移植を行うしかありませんでした。以前は進行を停止させる手段がありませんでしたが、近年角膜クロスリンキングという治療法が開発され、初期から中期の円錐角膜の進行を抑えることができるようになりました。

角膜クロスリンキングとは、リボフラビン(ビタミンB2)の点眼を行いながら、紫外線(UV-A)を照射して角膜実質内のコラーゲン線維を架橋し、角膜実質の強度を上げることで進行を停止させる治療です。クロスリンキングは2003年ドイツで開発され、日本でもすでに安全性・有効性が確率された標準的な治療法となっています。当院では、FDA(アメリカ食品医薬品局)で認可されているGlaukos社KXL1Bという最新機種を使用し、角膜上皮を掻把しない方法で行います。こちらは痛みや感染症などのリスクが少なく安全性が高い方法です。この方法で90%以上の症例で円錐角膜の進行が抑えられると報告されており有効性は高いです。手術は局所麻酔で行い、30分ほどです。日帰り、または入院が選べます。

 

円錐角膜2-3
 
クロスリンキングは進行を停止させることはできても形状を復元させることはできないため、できるだけ早期に発見して、その段階で治療を行うことが重要です。乱視が進行する、眼鏡で視力が出にくい、視力の左右差があるといった症状がある場合は、円錐角膜の可能性もあります。はっきりしない場合でもなるべく早くご相談いただけますと幸いです。角膜形状解析検査などを用いて円錐角膜の程度や進行を判定し、十分な説明を行ったうえで必要に応じた治療方法をご提案させていただきます。