きんししんこうよくせいちりょう近視進行抑制治療
近視進行予防点眼薬(リジュセア®ミニ点眼液0.025%)治療を受けられる患者さんに。
① 近視について
近視状態の眼は、眼球の前後径(眼軸長)が伸びており、焦点が網膜よりも前方に位置しているため、遠くのものがぼやけて見えるようになります。日本の子どもたちの近視の割合は年々増加しており、小学生の約4割、高校生の約7割が近視と報告されています。近視の有病率が増加していることの背景には、屋外で過ごす時間の減少や、近業作業を行う時間が増えたことなど、現代の子どもたちのライフスタイルの変化が原因と考えられています。
近視は、発症年齢が若いほど進行が早く、一旦発症すると10歳代の後半まで進行します。近視の眼は成人後に緑内障や網膜剥離などの目の病気を発症する可能性が高くなるため、近視の発症早期に進行を抑制することが重要です。屋外で過ごす時間を増やす(2時間以上)ことや、近業を続けてしない(30分に一度は20秒以上休憩)など生活習慣に気をつけることが重要ですが、それ以外にも近視進行抑制治療薬による治療があります。② 低濃度アトロピン(リジュセア®ミニ点眼液0.025%)点眼薬について
1%アトロピン点眼は、斜視・弱視の診断や治療に長年使われており、安全性が確立されている薬剤です。
低濃度(0.025%)アトロピン点眼には眼軸の伸びを抑制し、近視の進行を抑制する効果があることがわかり、実際に日本人の小中学生を対象とした治験で有効性と安全性が確認されています。リジュセア®ミニ点眼液は厚生労働省の承認を受け、初の近視進行抑制治療薬として2025年春に発売となった薬剤です。③ リジュセア®ミニ点眼液0.025%の使用方法、副作用、注意点
1日1回、就寝前に点眼します。主な副作用は、一時的に目が霞んだり、眩しく見えたり、近くが見えにくいことがあります。これらはアトロピンによる瞳孔散大、調節麻痺作用によるものです。対象年齢は5歳~15歳です。
リジュセア®ミニ点眼液は近視の進行を抑制することを目的としていますが、完全に近視の進行をストップさせることはできません。また、裸眼視力を回復させるものではありませんので、近視の程度により眼鏡等が必要となります。治療期間中は、定期的に眼科を受診して、近視の進行状況を確認する検査を受ける必要があります。診察間隔は初回、1か月後、その後は3ヶ月から6か月の間隔を予定しています。一旦治療を開始すると、高校卒業頃まで治療を続けることが望ましいです。治療を途中で中止すると、近視が急激に進行することがあります。④ 自由診療に伴う注意事項と諸費用
本治療は自由診療であり、公的医療保険の給付対象ではありません。
副作用が起こった場合、副作用に係る治療費も公的医療保険は適用されません。副作用等で治療を中止した場合、一旦処方した点眼薬は原則として返品・返金に応じることはできません。また、自由診療と保険診療を同日に行うことはできません(例えば、アレルギー性結膜炎の点眼薬の同日処方)。リジュセア®ミニ点眼液による治療中に眼鏡処方や書類(学校検査の結果、紹介状等)が必要になった場合も、その費用は自己負担となります。・診察料 : 初回7,700円(税込)、2回目以降5,500円(税込) ※2年目以降も年1回は初回の診察料7,700円(税込)が必要です。
・薬剤費 : 4,380円(税込)/月
・眼鏡処方箋料 コンタクトレンズ処方料 : 1,100円(税込)
・書類作成料 : 1,100円(税込)
・他院あての診療情報提供書料:2,200円(税込)
1年目の合計費用は、概算で約85,000円となります。
・薬剤費 : 4,380円(税込)/月
・眼鏡処方箋料 コンタクトレンズ処方料 : 1,100円(税込)
・書類作成料 : 1,100円(税込)
・他院あての診療情報提供書料:2,200円(税込)
1年目の合計費用は、概算で約85,000円となります。