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子宮体がん(治療、及び腹腔鏡下手術)

●子宮体がんとは

子宮体部にできる子宮がんです。子宮頚部の頭側に連なる球状の部位を子宮体部と呼び、
その部位の子宮内膜から生じるがんを子宮体がんと言います。
子宮頸がんとは、転移の分布の違いで区別しています。

子宮内膜に発生したがんは次第に外側の筋層に浸潤し、さらに子宮頸部や卵管・卵巣に及びます。
また、骨盤内や大動脈周囲のリンパ節に転移が起こりやすく、さらに進行すると、
腹膜・腸・肺・肝臓・骨などに転移し、全身に及ぶこともあります。

●症状

子宮体がんでは、比較的初期のうちから不正出血が起こります。したがって
「月経以外におかしな出血が長く続く」「閉経後に不正出血がある」といった場合には
注意が必要です。その他、水っぽいおりものや血液の混じったおりものが見られることもあります。

●原因

子宮体がんの発生には、エストロゲンという女性ホルモンによる子宮内膜への刺激作用が 関与しています。
卵巣から分泌されるエストロゲンは、排卵後の卵巣や胎盤から分泌される プロゲステロンという女性ホルモンととも
に月経・妊娠・出産をコントロールしています。

しかし、何らかの理由でプロゲステロンが分泌されずエストロゲンが単独で分泌される期間が続くと
子宮体がんのリスクが高くなると考えられます。
閉経後の女性、未婚の女性、妊娠・出産の経験がない、または少ない女性は、
プロゲステロンが分泌される機会が少ないため子宮がんのリスクは高まります。

●腹腔鏡下手術による子宮体がん治療

子宮体がんの手術療法には開腹手術と腹腔鏡下手術があります。
当院では開腹手術はもとより腹腔鏡下手術を数多く手がけています。

多くの子宮体がんの症例では、リンパ節転移が広汎に起こり得るという特長があるため、
子宮全摘術に加え、他臓器への転移を予防するために骨盤内や腹部大動脈などの
リンパ節郭清(切除)を行います。子宮周囲のリンパ節は腎臓の動脈付近にまで達するほど広がって
いるため、開腹手術の場合、リンパ節郭清を行うと下腹部からみぞおちに達するまでの長大な切開が
必要となり、術創が非常に大きく体への負担もかかります。

大きな切開は術後の痛み、回復の遅れ、癒着による腸閉塞のリスクを伴うため、
当院では積極的に腹腔鏡下手術を採用し、後腹膜(腹側部からの)アプローチによる
リンパ節郭清を導入しました。これにより痛みの大幅な軽減、歩行・食事開始までの期間の短縮、
出血量の軽減が可能になります。腹腔鏡は容易に体腔深部を観察でき、
また映像を拡大して手術できるためリンパ節郭清も開腹手術を上回る精度で行えます。

●後腹膜アプローチによるリンパ節郭清

リンパ節は体の深い位置にあるため開腹手術を行うと、かなり大きな傷になってしまいますが、
後腹膜(腹側部)からのアプローチにより簡単に患部・摘出部位に到達できます。
腹腔鏡などを挿入するための数箇所の小さな傷のみですので、傷痕が目立たず、治療後の回復も早いのが特徴です。
大きな切開は術後の痛み、回復の遅れ、癒着による腸閉塞を伴うため、積極的に腹腔鏡下手術を導入しています。
これにより痛みの大幅な軽減、歩行開始食事開始までの期間の短縮、出血量の軽減が可能です。
腹腔鏡は容易に体腔深部を観察できまた映像を拡大して手術をおこなうため郭清の精度も開腹を上回るものです。

●治療の進行もスムーズに

子宮体がんの進行例では術後の再発予防のために、化学療法や放射線療法を施行します。
これらは手術による体のダメージが軽減してから施行するので、短期間で回復が望める
腹腔鏡下手術はより有用だと考えられます。

●合併症

一般的な合併症としてリンパ節郭清によるリンパ浮腫・リンパのう腫が挙げられます。
倉敷成人病センターでは医師、看護師、理学療法士が連携して合併症の予防や治療に対応しています。