午前8:30~11:30
午後13:30~16:30
当院では、疾患の啓発から予防、治療までをサポートできるよう医師、看護師、理学療法士、栄養士、広報部、事務部で構成する専門チームを立ち上げ活動を開始。情報を共有し、円滑に診療が行えるようにカンファレンスを行なっています。横の連携を意識して活動しています。
2019年5月より外来で、専門の女性理学療法士による骨盤底筋リハビリテーションを開始しました。マンツーマンで骨盤底筋訓練を行なっています。月に1回程度のリハビリで、継続期間は6カ月を目標としたプログラムです。一般的に効果を実感するまでには、3カ月以上の継続が必要とされます。したがって今後、膣圧計・超音波検査等を用い、成果の「見える化」を導入し、患者充実度・満足度をアップさせ、楽しく継続していただくようすすめています。
当科では2007年より、経膣式に膣部にメッシュを挿入・留置するTVMを続けてきました。2016年の保険収載後、積極的に腹腔鏡下メッシュ手術を導入し、現在はほぼ、経膣メッシュ手術から腹腔鏡手術に移行しています。その手術件数も年々増加傾向です。腹腔鏡手術はスキルを必要とし、手術時間が長時間となることが問題でしたが、件数増加に伴い手術時間は短縮傾向となっています。従って、高齢のかたでも安心して受けていただけるようになりました。 2020年4月からロボット支援LSCも保険適応となり、当院でも開始しています。
健康寿命は年々延びてきています。内閣府の「未来投資戦略2017」でも健康寿命の延伸は目標項目として明記されています。 尿失禁、骨盤臓器脱はがんのような悪性疾患ではないので、それ自体で命を脅かすものではないものの、患者さんの日常生活にあたえるインパクトは想像以上に大きいものです。多くの患者さんは、尿失禁、臓器の脱出による激しい違和感に日々悩まされています。そのため、外出を控えるようになり家に引きこもりがちとなり、重度の場合はうつ状態となる場合もあるといわれます。
地域での講演・啓発活動を行うことで、尿失禁、骨盤臓器脱の悩みを抱える方々に疾患・治療に関する情報を発信します。抱える悩みを解決することで、社会活動に積極的に参加していただき、健康的な生活を取り戻すことを目指します。
患者数は潜在的には800万人にものぼると言われ、年齢が上がるにつれて患者数も増加します。突然の我慢できない尿意が主症状で、中には尿失禁を伴うものも多いです。一般的には薬物療法が行なわれるケースがほとんどです。しかし、中には骨盤臓器脱がその原因となっているものもあり、一般的な治療ではしっかりと改善しません。
治療として一般的に薬物療法が行われることが多いですが、近年行動療法(生活指導、膀胱訓練、骨盤底筋訓練)の重要性も認識されるようになりました。学会の診療ガイドラインでは行動療法がまず行うべき治療法として挙げられています。薬物に頼らない、自身で行う行動療法を今後、積極的に取り組むこととしています。
なかには治療抵抗性の難治性過活動膀胱もあります。これに対しては、ボツリヌス毒素(ボトックス®)の膀胱内への注射による治療を開始しました。(2020年に保険収載)