午前8:30~11:30
午後13:30~16:30
50代以上の3割の女性が骨盤底に障害があるといわれています。
骨盤底は、膀胱・子宮・直腸などを下から支える筋肉などからできる組織です。骨盤底が緩むことで「尿失禁」「骨盤臓器脱」といった症状が起こります。
骨盤底の障害は、必ずしも老化が引き起こすものではありません。経腟分娩の回数、体重増加(BMIが25以上)、喫煙、運動不足、慢性便秘症などがリスクとして挙げられます。
尿が漏れるのはどんな時か、チェックしてみましょう。
一つでも当てはまる症状があれば腹圧性尿失禁の可能性があります。不快感を我慢したまま放置せず、なるべく早く泌尿器科を受診しましょう。
腹圧性尿失禁では、恥骨と尿道をつなぐ骨盤底筋の緩み・破綻が原因ですので、テープで尿道を支える「TVT手術」を行います。
TVT手術は、経腟からアプローチする術式です。尿道の下の腟約1cmを切開し、テープで尿道を支えます。
手術時間は30分程度で、術後は尿が出にくくなっていないかなどを確認して、4日間の入院期間で退院できます。
切迫性尿失禁は内服薬で治療を行いますが、難治性の場合はボツリヌス毒素膀胱内注入療法を行います。
手術後は、再発防止のためにも、専門の女性理学療法士がマンツーマンで骨盤底筋体操の指導を行います。
月に1回程度のリハビリで、継続期間は6カ月を目標としたプログラムです。一般的に効果を実感するまでには、3カ月以上の継続が必要とされます。腟圧計・超音波検査等を用いて成果を「見える化」し、患者さんの充実度・満足度をアップさせ、楽しく継続していただくようすすめています。
▼骨盤底筋体操の動画公開中。自宅でも実践を。
当院では、女性のための電話・メール相談を行っており、尿漏れや骨盤臓器脱に関する専用ダイヤルを設けています。
気になる症状があれば、ひとりで悩まずお気軽にご相談ください。
泌尿器科 医長
黒田 まゆら