

午前8:30~11:30
午後13:30~16:30
股関節は、大腿(だいたい)骨の先端が大腿骨頭(こっとう)という球状になっていて、寛骨臼(かんこつきゅう)が受け皿となり支える構造になっています。
股関節の違和感や痛みは、体重の負荷や加齢により軟骨がすり減り、寛骨臼と大腿骨頭のかみ合わせがスムーズでなくなり起こります。そして、骨と骨がぶつかり、動きの制限が生じ、痛み・変形が現れます。これらの症状の代表的なものが「変形性股関節症」です。
最大の原因は肥満で、40〜50代でBMI(肥満指数)が20台後半だと発症リスクが高くなり、減量をおすすめしています。
このほか、「関節リウマチ」や大腿骨頭が壊死を起こす「突発性大腿骨頭壊死」が原因で変形性股関節症に至るケースもあります。
まずはチェックリストで症状を確認してみましょう。当てはまる症状があれば我慢せず、なるべく早く整形外科へご相談ください。
治療は、まず運動療法や薬物療法になります。運動療法では、理学療法士の指導の下、自宅でも続けられる正しい動きを覚えます。薬物療法では、鎮痛効果の高い飲み薬がありますが、変形の進行を確認するため、定期的なレントゲン確認が重要です。
患者さんがこの先どのような生活をしたいか希望に応じて、「人工股関節置換(ちかん)術」を検討します。
この手術は、寛骨臼と大腿骨の両方を人工骨にする場合と、大腿骨だけ人工骨にする場合がありますが、生活をしていく中で、寛骨臼がすり減ることがあるため、全人工股関節置換術を採用することが多くなっています。
手術は、関節用ナビゲーションシステムを使うことで、人の目で行うより、人工関節を適切な角度に入れることが可能になります。
また従来、手術は「後方アプローチ」で行われていましたが、現在では筋肉や腱のない前側から切開する「前側方アプローチ」を採用しています。前側方アプローチにより、筋力低下が最低限に抑えられ、痛みやはれが少なく、術後の回復が早いなど、多くのメリットがあり、リハビリも早期に開始できます。
当院では、金曜に手術を受けた場合でも、土曜日からリハビリが可能です。入院中のリハビリで正しい動きを習得して退院できるよう、医師と理学療法士がコミュニケーションを取り、患者さんと1対1でリハビリを行います。
退院後の受診では「自分ではけなかった靴下がはけるようになった」「杖が不要になった」など、嬉しい声をたくさんいただいています。
①手術前 |
手術前の状態を評価し、可動域や歩く速さの測定 |
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~手術~ |
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②手術翌日~ |
手術翌日からリハビリスタート。1日目から「立てた」「歩けた」ということは、モチベーションに!しっかり自主練習を指導するので、個室で好きな時間に自分のペースで可能です |
③術後7日目 |
階段昇降練習、杖歩行など |
④術後10~14日目 |
日常で必要な動作の練習・退院。退院後も自分でリハビリができるように理学療法士が指導を行います |
~退院~ |
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⑤術後1カ月受診 |
可動域や歩く速さの測定。歩く速さを術前と比較します。数字で評価することで回復具合が把握できます |
⑥術後3カ月受診 |
整形外科 主任部長
高木 徹