

午前8:30~11:30
午後13:30~16:30
2021/05/13
当院では『電離放射線への被ばくを管理・制御することによって、確定的影響を防止し、確率的影響のリスクを合理的に達成可能な程度に低減すること』(ICRP[国際放射線防護委員会]の勧告)を守り、放射線科医の管理のもと、診断に影響のない範囲で放射線被ばくが少なくなるように適切な放射線量で、安全に検査を行なっています。
※がんリスクは安全側(リスク多め)に考慮されています。
一般的に大人より胎児の方が放射線感受性は高いと言われているので、妊娠中に胎児が被ばくしたかと思うと心配になると思います。
胎児は被ばくする時期により発生する異常(先天異常)が異なります。100mGy未満の被ばくでは下表の先天異常は発現しません。
胎児の被ばくについて、『100mGyにおける放射線誘発の小児がん・白血病の生涯リスクは安全側の推定値で約1/170(0.59%)です。医療被ばくのない場合のがん罹患の生涯リスクは約1/3人(33%)であり、致死がんのリスクは約1/5人(20%)です。』とあるように、放射線誘発の発がんリスクは自然発生率に比べ桁違いに低いので、『100mGy未満の胎児線量では、放射線被ばくのために妊娠中絶をする医学的な正当性はない※3』と明記されています。
X線検査は必要な部分だけを照射しているので、胸部X線撮影による胎児の被ばくは0.01mGy未満(測定困難レベル)です。一般的な検査別の胎児被ばく線量を下記します。
※3:ICRP Publ.84,2000
また、放射線に被ばくしないでも、すべての動物にとって先天異常は生じてしまいます。新生児期に診断される先天異常は、心臓・腎・脊椎などを含めると5%以上といわれています。また、小児がんと白血病は0~15歳の自然発生率は0.2~0.3%です※4。
※4:ICRP Publ.84,2000
『胎児の被ばく線量と健康な子どもが生まれる確率』を下記します。