午前8:30~11:30
午後13:30~16:30
2026/01/08

整形外科 部長 大澤 誠也(おおざわ せいや)
【卒業大学】平成5年 岡山大学
【資格・その他】
日本専門医機構認定整形外科専門医
日本足の外科学会認定足の外科認定医
日本足の外科学会評議員
【外来日】
火・水・金曜日(いずれも午前中)
水曜日は外反母趾専門外来(要予約)

足疾患で最も多く有名なのが外反母趾です。外反母趾は足の親指が「く」の字に曲がってしまう疾患であり、母趾の痛みにより靴歩行が困難になるケースがあります。また痛みは強くなくてもいつのまにか隣接する足趾の変形や関節の脱臼を伴うこともしばしば見られます。
軽度の外反母趾であれば靴や装具、運動療法などの保存治療により、症状の改善が期待できますが、中等度以上の外反母趾になると保存治療での改善はあまり期待できないため手術治療が勧められます。
たかが外反母趾と思われがちですが、多くの方(特に女性)の足を悩ます代表的疾患になりますので、治療をあきらめずに遠慮なく当院専門外来をご受診ください。
外反母趾は圧倒的に女性に多い疾患で、外来患者の約9割を占めています。その原因としてはハイヒール等の靴との関連性が強いと考えられています。常に靴を履いて生活している欧米ではポピュラーな疾患で、手術も多く行われていますが、日本は靴文化の歴史が浅いため、外反母趾への関心が低く、対処法の情報も少ないのが現状です。
変形の少ない軽度~中等度の外反母趾であれば、靴の指導や運動療法、インソール作成などの装具療法を行うことにより痛みの軽減や予防効果が期待できます。重度の外反母趾では手術治療が勧められます。
外反母趾の手術は単純に突出部のみを削り取るような非医学的なものではありません。 第1中足骨という骨を切り、適切な角度になるように矯正し て再度固定をします。その際3次元的なねじれ矯正を行っています。第2趾の脱臼がある場合は、その脱臼を整復矯正するためにさらに複雑な内容の手術になります。
手術をした場合、術後の腫れが軽減するまで約半年くらいの期間が必要になります。術後のリハビリも非常に重要になります。時間はかかりますが、多くの患者さんは好みの靴を選んで履いて活動性の高い生活を送っています。手術をしない場合においては、ファッション性の高い靴は難しくとも機能性を優先した靴を選ぶようにアドバイスいたします。
外反母趾の手術は決して出っ張った部分を削り取るような単純なものではありません。外反母趾の手術は中足骨という骨を切り、それを適切な角度になるように矯正して再度固定します。矯正は3次元的な矯正が必要となり、また筋肉や腱などの骨以外の組織も操作することにより関節の適切なバランスを構築しています。
単純な外反母趾だけであれば入院期間は約2週間であり、術後用の靴装具での歩行退院となります。もちろん保険適用となります。術後はしばらく腫脹が続きますので、すぐにおしゃれな靴を履くことはできません。ある程度の時間的余裕をもって外反母趾手術を受けることが勧められます。
関節リウマチによる多発関節炎は、手指から発症するケースが圧倒的に多いですが、足部発症も20~50%存在します。足の診察は靴と靴下を脱ぐ必要があるため、足部症状は後回しにされがちになります。
リウマチ前足部の変形として、扁平三角状変形(外反母趾、内反母趾、2~4趾の脱臼)があります。変形は不可逆的なものであり、胼胝(タコ)の部分の皮膚潰瘍や感染を伴うことが多くみられます。
足部については、靴やインソールを作成して胼胝(タコ)のあたりを減らすように工夫します。症状に応じて、特殊な靴型装具を作成するケースもあります。胼胝部の皮膚や、爪周辺を清潔に保って感染を防ぐようにケアする必要があります。軽度の変形であれば、ストレッチや運動療法も効果があります。
リウマチ前足部変形の手術として、以前は関節固定術や切除関節形成術が行われることが主流でした。現在はリウマチの薬物治療が大きく進歩したこともあり、足部においては関節温存手術が増加しています。重度の外反母趾や関節脱臼も、骨切りによる矯正で関節を温存することが可能であり、術後の機能維持に有利になります。
その他の足部疾患としては、足関節陳旧性靭帯損傷(過去の足首捻挫の後遺症)、変形性足関節症(足首の加齢による痛み)、扁平足障害、強剛母趾、スポーツ障害などがあります。
正しい診断をして、それぞれの症状に適した治療を行います。運動療法も重要な治療法になってきますので、その指導も行っています。
大澤医師が独自の外反母趾手術法について執筆した英語論文「Proximal oblique metatarsal osteotomy for hallux valgus using a plantar locking plate」が国際雑誌「Foot and Ankle Surgery」に掲載されました。
