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婦人科

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮の筋肉から発生した腫瘍のこと。腫瘍がひとつの場合を「単発性筋腫」、大小たくさんある場合を「多発性筋腫」と言い、子宮の大きさは通常は鶏卵ぐらいですが、子宮筋腫により子どもの頭程度の大きさになってしまうこともあります。

腫瘍といっても良性の腫瘍なので、悪性腫瘍とは違い無制限にがん細胞が増えたり、他の臓器に移転・増殖したりしないので、命を脅かすような危険なものではありません。しかしながら、子宮筋腫を軽視するのは危険です。
子宮筋腫による月経痛や貧血などの症状は、日常生活もままならないほど強く出る場合があり、それに伴ってめまいや動悸などが起こることもあります。 また、しばしば不妊の原因にもなり、ごくまれに悪性腫瘍の一種である「子宮肉腫」が見つかることもあります。

症状

子宮筋腫の症状は、月経期間が長くなる、月経時の出血量が多くなる、月経時に強い痛みがあるなど、月経時に起こるものが一般的です。また、子宮筋腫が進行すると、腫瘍が大きくなることで周囲の臓器・組織を圧迫し、腰痛や頻尿、便秘などの症状も起こります。今までにない激痛や大量出血があった場合には、重篤な状態になりかねませんので、すぐに病院にかかるなどの対処が必要です。



危険な症状と考えられる病気

今までにない激痛
子宮の外に発症する子宮筋腫(有茎漿膜下筋腫)は、筋腫の茎となる部分がねじれて筋腫捻転が起こると大激痛に襲われます。ねじれると壊死が起こり、放っておくと腹膜炎などの重篤な合併症が起きます。
大量出血
子宮の内側にできる子宮筋腫(粘膜下筋腫)は特に出血しやすく、ひどい場合ボコボコと溢れるようなとんでもない量の出血が起こることもあります。出血性ショックを起こす危険性があります。

原因

子宮筋腫の原因は今のところ解明されていません。ですが、女性ホルモンの分泌がさかんな30代から筋腫と診断される人が増え、一般的に閉経すると女性ホルモンが少なくなり筋腫が小さくなることから、女性ホルモンのエストロゲンの影響が考えられています。女性ホルモンは初潮のころから分泌されるので、長年女性ホルモンの影響を受けて発症していた筋腫が少しずつ成長して30代ぐらいに発見されるということが多いようです。


子宮筋腫原因

子宮筋腫 受診 ・検査の流れ

① 問診・診察

気になる症状などについて医師にご相談ください。問診票をもとに、医師から質問をさせて頂きます。 その後、診察台にて内診を行ないます。子宮頸部を観察したり、エコー検査で腹部または膣の中から超音波(エコー)をあて、子宮や卵巣などの様子を観察したりします。また、必要時には、子宮頸部の表面の細胞を綿棒などで軽くこすり取り、がん細胞などの異常細胞がないかどうかを確認する「細胞診」を行ないます。



② 精密検査

内診やエコー検査の結果、卵巣のう腫が疑われた場合、精密検査を行ないます。どのような検査を行なうかは、問診・内診(細胞診)の結果によりますが、以下のような検査があります。

  • 尿検査:おしっこを採取して、成分を調べます。
  • 血液検査:血液を採取して、成分を調べます。
  • CT検査:X線を使って体の内部を撮影した画像をコンピューターで処理して、子宮や卵巣、その周辺の臓器などの状態を調べます。
  • MRI検査:磁気を使って体の内部を画像化し、子宮や卵巣、その周辺の臓器などの状態を調べます。

>※CT,MRI検査は予約制のため、受診日当日に検査ができない場合、後日の検査になる可能性があります。
これらの検査結果によって症状を特定し、治療方法(手術など)を決めていきます。

腹腔鏡下手術による子宮筋腫治療について

腹腔鏡下手術とは、腹腔鏡と呼ばれる直径0.5~1cmほどの長い棒状のカメラを用いた手術です。腹部に0.5~1cmほどの穴を1~4か所開けて、炭酸ガスでお腹を膨らませてから腹腔鏡を挿入し、腹部内部(腹腔)の様子をテレビモニターで確認しながら、鉗子(かんし)と言われる特殊な細い器具を使って手術を行ないます。

子宮筋腫の手術方式は子宮筋腫そのものを取り除く「子宮筋腫核出術」と、子宮を全摘する「子宮全摘術」に分かれており、どちらの手術も「開腹手術」または「腹腔鏡下手術」で行ないます。

当院では開腹手術はもとより腹腔鏡下手術を数多く手がけています。腹腔鏡下手術は傷が小さい、痛みが少ない、回復が早いなどが特徴であり、術後の癒着(本来離れているべき組織同士がくっつくこと)が少ないため、妊娠機能を維持しやすいという大きなメリットがあります。実際に子宮筋腫に対して腹腔鏡下手術を経験された後、妊娠・出産をされた方も数多くおられます。


子宮筋腫核出術

子宮筋腫核出術は、子宮の正常な組織は残し筋腫のみを摘出する術式です。子宮の機能を残せるので妊娠の可能性を残せます。当院では、他の病院では腹腔鏡下手術は不可能と言われるような大きな子宮筋腫に対してもできる限り腹腔鏡で手術を行ないます。手術を考えており、できれば腹腔鏡下手術で行ないたいという方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

特徴

子宮筋腫核出術では子宮を残しますが、子宮に傷がついた状態になるため、将来的に妊娠された場合には、帝王切開による分娩をお勧めしております。また、子宮筋腫は子宮が残っている以上残念ながら再発する可能性があり、現状では再発を予防する有効な手段はありません。

子宮全摘術

腹腔鏡下子宮全摘術は、腹腔鏡を使用して子宮を摘出する方法で、当院が日本で一番多く行なっている手術です。
1~2kgを超えるような大きな子宮筋腫(通常の子宮は100g程度)に対しても腹腔鏡で子宮全摘術を行なっています。
子宮をすべて摘出するため、子宮筋腫が再発する心配はなく、子宮がんになることもありませんが、妊娠・出産の機能を失ってしまいます。また、子宮は女性ホルモンを分泌していないので、子宮全摘術をしても卵巣を残すことにより、更年期障害などを避けることができます。閉経前の方はできる限り卵巣を温存することをお勧めしています。

一歩先に進んだ腹腔鏡下手術

当院では、患者さんの状態、子宮のサイズに応じて臍からアプローチするSSL(単孔式腹腔鏡:お臍の傷1箇所での手術)や、経腟腹腔鏡下手術でも子宮全摘術を行なっています。いずれの手術においても回復が早く、傷も目立たないため美容面にも優れています。患者さんのご希望を聞きながら、最適な手術方法を検討していきます。腹腔鏡下手術はビデオモニターを通しての限られた視野で専用の器具を操作して行なうため、非常に高度なテクニックが要求されます。
当院は、豊富な腹腔鏡下手術の実績と世界トップレベルの技術を持っています。子宮筋腫の治療を検討されている方、迷われている方は、一度当院までご相談ください。 

入院期間と費用の目安

※健康保険利用の3割負担の場合(自由診療・先進医療に該当する場合を除く)

手術方法 入院期間 費用の目安
腹腔鏡下手術 7日 26万円~30万円
開腹手術 10日~14日 26万円~34万円

※2022年9月現在のものです。
※上の表は概算であり、個人の疾患等により期間および費用は変動します。
※悪性腫瘍はステージやグレードにより手術領域が変わるため、費用に差があります。
※高額医療費制度を利用される方は限度額認定証の事前申請をおすすめいたします。

倉敷成人病センター婦人科の実績・紹介

倉敷成人病センター婦人科は、「婦人科悪性腫瘍の腹腔鏡下手術を確立させたパイオニア」とも言われる安藤正明をはじめ、日本産科婦人科内視鏡学会の技術認定医、日本婦人科腫瘍学会専門医が多数在籍しています。

また、開腹手術よりも傷口が小さいことで患者さんの負担が少なくて済む腹腔鏡下手術を可能な限り提案しており、近年注目を浴びている内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」をいち早く導入し、婦人科の腹腔鏡下手術数では国内でもトップクラスの症例数(2022年実績:1,538例)があります。そのため、全国から多くの医師の見学者が集い、書籍やテレビなどのメディアでも多数取り上げられています。


最近紹介された主な書籍・メディア   


Dr.安藤正明のホームページ


当院婦人科には広島、香川など近県はもとより全国から患者さんが、診察やセカンドオピニオン等で来院されています。
大きな開腹創に不安をお持ちの患者さん、早期社会復帰が必要な方、低侵襲(体の負担が少ない)な手術法に関するセカンドオピニオンを求めていらっしゃる患者さん、治療方法や費用についても一度ご相談ください。一人でも多くの方の力になれたら幸いです。