12月10日(水)、岡山県内で初めて、最新手術支援ロボット「ダビンチ5」を用いた婦人科手術を理事長 安藤正明医師が実施しました。
倉敷成人病センターは、米国インテュイティブサージカル社の最新手術支援ロボット「ダビンチ5」を2025年12月6日に導入し、12月10日に岡山県内で初めて「ダビンチ5」を用いた婦人科手術を無事に実施しました。
これにより、当院の手術支援ロボットは、ダビンチ5、ダビンチSP、ダビンチXi、国産機hinotori各1台の計4台体制となります。
当院は2013年よりロボット支援下手術を積極的に導入しており、これまでの累計実績は5,124件(2013年10月~2025年11月末時点)に及びます。
現在は、婦人科(子宮良性腫瘍・子宮体がん・子宮頸がん・骨盤臓器脱)、泌尿器科(前立腺がん・腎臓がん・腎盂尿管がん・膀胱がん・骨盤臓器脱)、外科(直腸がん・結腸がん)、呼吸器外科(肺がん)などでダビンチ領域を拡大しており、多くの患者さんの負担軽減、早期回復に寄与しています。
ダビンチ5の特徴
©2025 Intuitive Surgical
ダビンチは、4本のロボットアームの先端に取り付けられたメスや鉗子などの器具を、腹部に開けた小さな穴から体内に挿入し、患部の切除や縫合などを行う医療機器です。医師はモニターを見ながらコントローラーを操作し、精密な手術を行います。
新型の「ダビンチ5」では、従来機にはなかった組織を押したり引いたりする際の力を感知する機能が追加されました。さらに、データ処理能力やモニターの3D映像の解像度が向上し、腹部を膨らませるための気腹圧の調整なども手元で制御できるようになるなど、新機能が備わっています。
- 10,000倍以上のデータ処理能力
- 世界中で使用されてきた「ダビンチ Xi」の高機能デザインを踏襲しながらも設計を一新し、既存製品の10,000倍以上のデータ処理能力(コンピューティングパワー)を搭載
- フォースフィードバック(力覚フィードバック)機能の追加
- 3次元の力覚情報をインストゥルメント(専用鉗子)の先端から術者のハンドコントローラへ伝えるテクノロジーの搭載により、術者は組織を押し引きする際の力を感知することが可能
- 改良された3D映像
- コンソールの解像度が従来製品の4倍に向上し、より鮮明な色、より高い解像度、より高度な画像処理によって術野のリアルな3D映像を実現し、術者に今まで以上に優れた視認性を提供
- 快適性の向上
- より高度なエルゴノミクスおよび調整範囲の拡大により、術者に更なる快適性と視野を提供
- 術者の自立性の向上
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インサフレーター(気腹装置)をはじめとした手術に必要な主要コンポーネントが統合されたことで、術者はコンソールのヘッドインメニューから、自ら各コンポーネントの設定管理が可能
- ワークフローの効率化
- 手術時間短縮のためのよりシンプルなセットアップ、タスクの自動化等により、ワークフローの効率化をサポート
- 手術データから得られるインサイトの活用
- データ処理能力の大幅な向上がより多くのデータ収集・処理を可能にし、術者は手技や手術に関する客観的なインサイトを取得することで、治療成績の向上や後進指導への活用が可能
ダビンチ5導入の様子(2025年12月6日)
メディア掲載していただきました
今後も、倉敷成人病センターは低侵襲手術の推進を通じて、地域医療に貢献してまいります。