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放射線治療科

前立腺がんのトリモダリティ治療とは

2026/07/14

トリモダリティ治療とは

トリモダリティ治療は、3つの治療法を組み合わせて行う、高リスク前立腺がん患者に対して効果的な治療法です。なお、トリモダリティ治療が受けられる施設は岡山県内で当院のみです(2026年7月現在)。

治療概要
密封小線源治療、強度変調放射線治療(IMRT)などの外部放射線治療、さらにホルモン療法を組み合わせて行う治療法で、がんの制御効果を最大化することが可能になります。
効果・再発率
複数の治療法を統合することで、それぞれの治療単体では得られにくいがんの進行抑制効果が得られるため、PSA非再発率の向上が期待されます。
また、病状が進んだ状態でも、再発率の大きな減少が確認されており、長期的な生存率の改善にも寄与しています。
具体的には、手術・外部放射線治療・小線源治療単独での10年後の再発率は2~6割程度と言われていますが、トリモダリティ治療なら1割程度に抑えられることが分かっています。


高リスク前立腺がんとは

高リスク前立腺がんとは、以下のいずれかに該当する場合を指し、再発や転移の可能性が高い状態をいいます。


  • 前立腺がんの診断に用いる血液検査のPSA値が20ng/mL以上
  • 前立腺がんの悪性度を評価するグリソンスコアが8以上
  • がんが前立腺外に浸潤している状態(T3以上)


前立腺がんのリスク分類

リスク分類 がんの拡がり
(MRI等)
PSA値
(血液)
病理検査
(グリソンスコア)
超高リスク 前立腺の外・精嚢・膀胱・直腸などに浸潤 40< 4+4・4+5・5+4・5+5
上記リスク因子2つ以上
高リスク 前立腺の外・精嚢・膀胱・直腸などに浸潤 20< 4+4・4+5・5+4・5+5
上記リスク因子1つのみ
中リスク 予後不良 片葉の1/2以上
または両葉
10以上20未満  4+3
予後良好 3+4以下で陽性の割合が1/2未満
中リスク因子2つ以上で予後不良群
低リスク  片葉の1/2以下 10未満 3+3
※前立腺の膀胱・直腸浸潤はトリモダリティ治療の適応外です。


トリモダリティ治療の流れ

トリモダリティ治療の流れ

  1. ホルモン治療(外来で実施)
    男性ホルモンの分泌を抑制し、がん細胞を弱らせることを目的に6カ月行います。
  2. 小線源治療(入院で実施)
    カプセル状の放射線源(長さ4.5mm、直径0.8mm)を前立腺内に埋め込み、病巣へ直接照射します。その際、前立腺と直腸の間にジェル状の吸収性医療材料を入れ、放射線による直腸への障害を防ぎます。
  3. 放射線治療(外来で実施)
    小線源治療の6週間後から外部放射線治療を1日おきに5回行います。


トリモダリティ治療はがんの制御率が高く、手術に比べて患者さんの痛みや副作用が軽いことが特長です。
当院では、放射線治療科と泌尿器科が連携し、トリモダリティ治療と手術それぞれのメリットを説明したうえで、患者さんご自身に治療方法を選択していただいています。前立腺がんの治療方法について、ご不安やお悩みのある方は当院までご相談ください。


監修医師

放射線治療科_矢原勝哉

放射線治療科 主任部長
矢原 勝哉


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